05 January
2005

星を継ぐもの

私もコリエルの子孫…

年末年始にジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」を読む。

月で発見された5万年前のものと思われる真紅の宇宙服の死体発見か
ら物語は進んでゆく。この時代になぜ月に人類の死体が??

火星と木星の間に位置する惑星ミネルヴァは地球とよく似た環境もっ
ていた。ミネルヴァンは惑星ミネルヴァを戦争による爆発で失い帰る
場所を無くしてしまう。爆発時に衛星にいた僅かのミネルヴァンのみ
が生き残ったが、母星を失った衛星は太陽へと引き寄せられる。
生き残ったものは決死の覚悟で未知の惑星へと降り立っていった。
新たな環境で彼らは種を絶やさないことだけしかできず知識を、文明
を失い急速に原始へと還ってゆくが、苛酷な生存競争に勝ち残り5万
年の時間をかけて新たな文明を手に入れる…

ホーガンの出世作と呼ばれるだけあって、これはいい作品だと素直に
思うことができる。死体が持っていた日記から次第に明らかになる彼
らの暮らしぶりなどの人間的な視点からもおもしろく読めるし、別々
に進化したはずの地球人とミネルヴァ人がなぜ同一なのかの科学的な
謎解きの展開もいい。
特にミステリのように二転三転しながらもSFとしてプロットが破綻し
ないバランスが素晴らしい。ラストがちょっと慌ただしい感もあるけ
ど、それすら気にはならない。

おまけのコリエルの話はこの作品をハードSFとするなら邪道かな。
そうでなければ、ちょっといい話。
チャーリーをはじめ、月での最後の死の行軍で命を落した仲間も救わ
れるかも知れない。

そして、それから5万年…




Posted by iida at 23:00 | Comments (0) | Trackbacks (0)
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