22 June
2005

人間の土地

最近まで星の王子様と幸福の王子の認識がごっちゃになってた…

飛行機乗りサン・テグジュペリの作品。
「夜間飛行」と同じくパイロットの身の回りの出来事についての中短
篇集だけど、こちらのほうが人の生死を描いた作品が多いためか重く
感じる。中篇の「砂漠にて」は砂漠に不時着した二人の郵便機乗りが
次第におかしくなっていく様を淡々と描写していて、それが妙なリア
リティさを生み出している。砂漠で最後のオレンジを口にした男は
執行直前の死刑囚が最後のラム酒やタバコで微笑みを浮かべるのが
諦めや勇気からではなく単純に美味しいから微笑むのだと知る。

死に直面した人間の心理を通して人間としての本質を問いかける。
砂漠や高山で遭難して命を落とす者と拾う者、砂漠に縛り付けられて
外の世界を知ることなく一生を送る者。

ちょっと前にナチス軍に撃墜されたテグジュペリの飛行機が海底で発
見されたニュースが流れていたけど、あれは引き上げられたんだろうか?
それに「星の王子様」は最近版権が切れたから新訳の本が出てきそうだな。


<買い物>
塩狩峠/三浦綾子
たまご猫/皆川博子


Posted by iida at 12:55 | Comments (0) | Trackbacks (0)
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