八甲田山

mpv-shot0001有名なタイトルで実際に起きた事故がベースのストーリーなので観たことがあるような気がしてるだけで実は観たことがなかった「八甲田山」。映画公開当時のCMフレーズ「天は我々を見放した」をなく覚えている…いや、8時だよ全員集合でドリフがパロってたのを観てただけかも。今回観る前に下調べして高倉健と北大路欣也のダブル主役だと知ったくらいだからこれまで観てないのは間違いない。観終わった感想として面白い映画だったというとそうでもない。映画の大半はひたすら雪山を歩くだけ。映像も影になってるところが黒く潰れているシーンが多くて喋らないと誰だかよく判らない始末。それでも3時間近い映画をトイレにも行かず最後まで一気に観ることができたのは何故だろう。途中から福島第一原発事故の吉田所長と本社社長、菅総理大臣のやりとりがダブったからかもしんない。神田大尉(北大路欣也)が率いる青森歩兵第五連隊は当初、徳島大尉(高倉健)率いる弘前歩兵第三十一連隊と同じように少数精鋭の小隊編成を予定していたが現場を理解せず体面を気にする上官の横槍で100名超の大隊編成で八甲田山へ向かうことになる。大隊には物見遊山の山田少佐(三國連太郎)も同行して指揮系統が既に怪しい。そして少佐は早くも八甲田山の入り口で道案内を勧める地元農民を「お金目的」と決めつけて追い返す致命的な間違いを起こす。八甲田山に入った青森歩兵第五連隊は吹雪の中で道に迷い遭難する。神田大尉に指揮が戻ってきた時には戻る道すら判らない状態。雪中行軍は一人倒れ二人倒れ、遂に大隊は賽の河原で全滅する。神田大尉の死因は凍死でなく隊を守れなかったことと徳島大尉との八甲田山での再会の約束を果たせなかった無念による自殺だという。大遭難の原因を作った山田少佐は数少ない生存者の一人となるが責任の自覚はあり収容先の病院で拳銃自殺する。一方、27名の少数精鋭の弘前歩兵第三十一連隊は地元民の道案内で雪道に迷うこともなく賽の河原へ到着。徳島大尉は全滅した青森歩兵第五連隊の屍の中から神田大尉の死体を発見して語りかけるがこれは幻で賽の河原の死体は2日前に発見されて哨戒詰所に運ばれていた。二人の再会の約束にかける思いの強さを表したかったのだろうが神田大尉の死体が語りかけてくるシーンはホラーっぽくて怖いデス。時代は変わっても状況を理解していない上司の横槍によってプロジェクトが崩壊していく物語は会社勤めであれば一度は経験するものだが命に係るようなコトはないからいいか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です